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sakamotty: thejoxter: suigetusawa: 先日、読書人の間で話題を読んだ、柳下毅一郎さんが白水...

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先日、読書人の間で話題を読んだ、柳下毅一郎さんが白水社ブックカタログに寄せたエッセイ「本を食って生きている」。 
http://www.hakusuisha.co.jp/essay/2010/07/14/1105.html 

>少年は悪漢のデス博士に語りかける。「この本、もうあと読みたくないよ。博士はきっと最後に死んでしまうんだもん」 
> デス博士は答える。 
>「だけど、また本を最初から読みはじめれば、みんな帰ってくるんだよ」 
> この言葉ほど読書の喜びと哀しみを鮮やかに示したものはない。 

6月にこのブックカタログを取り寄せて読み、このエッセイを通読してひどく「あるある」(軽い言葉だけど…)と共感、感動してうるうるした。 

そしてここ数日から昨夜7月31日にかけて。23日(魔術的な数の日…!)に凶報を受けてから全く本、どころか文字が読めなくなっていたが、これではならじとあえて一番見返すのがつらいのではと思った「鬼畜のススメ」を歯を喰いしばって読みながら、突如、ありありと目の前に村崎さんが「いる」「語りかけてくる」感覚にくっきりととらわれた。 


懐かしさと笑いと(「油断は禁物、ペニスはイチモツ 『ダスト・テスタメント』」とか読んで噴かずにいられるか!)涙と…て感じの中、急に、「あ、本の中で変わらず生きてる!」と思えた。本を開いたら全然変わらないあのころの村崎さんに会えた!と。 

私は「村崎百郎」と名乗っていない状態の時にお会いしてない。でも恐らく村崎と「別の顔」が半分混ざった状態くらいでお話ししてくれていたと思う(http://tinyurl.com/2g8mwqw )。「知ってるんでしょ?」「さあて」。こんな感じの”言わぬが花よ”的やりとり。そういった記憶、空気感が甦ったのだ、今回久しぶりに「鬼畜のススメ」を読んでありありと。頭や口先、手先で理解したり書いたりしたのと違う…これぞ「実存」てやつかってくらい、それこそ嘔吐感があるくらいの感覚を身をもって味わった。 


無茶苦茶寂しいんだけど寂しくない、ふしぎな感覚。 

はっきり言って、私には罪悪感があった、村崎さんに対して。会おうと思えば会えたのに会いにいかなくなった、連絡とらなくなった、目を逸らしていた…… 

でも会わない間もけっこう折に触れ悪趣味大全を取り出したり「鬼畜のススメ」取り出したり「ジ・オウム」取り出したりして彼の文章読み返していて。そのたびに「会って」いたんだなと改めて思えた。 
同じ本、同じ文章を別のときに読み直すと受け取り方が全く変わってくることも本当にあるものだな…。 

そして「書く」「読む」というのは凄く自分にとって大事なのだと改めて、本当に改めて実感しなおした。正直今はあまりに衝撃過ぎてまだまだ今後自分でもブレが生じると思う…だけど「生きて」=「読んで/書いて」いくことはやめられない。自分の最後の息の間際まで恐らく読んで、書いていくのだろうね。業。 

 

■鬼畜のススメ 7/31読了(初読96.8.8) 
「あんたの魂はどこにある? そこに残飯の詰まったポリバケツはあるのか?」。96年、まだオウム事件覚めやらぬ文化界に切り込んだ初著作。人文思想系にもスカム系にも寄稿し「何者?!」感が高まっていた中、鮮烈だった。「ゴミ漁りを通じて鬼畜的な思考を身につけろ」…「鬼畜」の語感で見え辛いが彼が伝えたいのは突き詰めれば「やりたくない事は徹底的にやらない」思想の自由。強姦被害者を歌って慰め猫婆さんに思いを馳せ、弱者への眼差しは優しい。既成概念に縛られ悩む若者にエールを送る逆説的な含羞に満ちたモラルの書だった… 

(「コメント」として以下追加) 
「願わくば月の大きな夜にゴミ漁りの途中で野たれ死にだ(…)無数の猫がやってきて、俺のムクロに小便をひっかけるんだ(…)汚穢にまみれてゴミ回収車に放り込まれ、夢の島へ運ばれて行くのが鬼畜にはお似合いの最期だな。俺は夢の島に棄てられてゴミと一緒に静かに腐るよ。いつか、俺の腐臭が海からの風に乗ってあんたらの食卓まで届いたら、腹の中にたまっている汚い反吐を思いっきり吐き出してくれ」。本書末尾。本書を多くの人に読んで欲しいと痛切に願う。

「読書メーター」メモ http://tinyurl.com/24qrxwf


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