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時事ドットコム:特集・赤い星の戦闘機 ミグ&スホーイ【1】遅咲きの高性能機 SU27

パリで開催された航空ショーで旋回飛行を披露するSU27。機体サイズはF15C(全長19.4メートル、全幅13.1メートル)よりひと回り大きい=2005年6月17日【AFP=時事】

 スホーイSU27フランカーは、旧ソ連時代の1969年にスホーイ設計局が開発を始めた大型戦闘機。米国が空軍の長距離戦術制空戦闘機(後のF15イーグル)の開発に着手してから1年後のことで、高い格闘戦能力と長い航続距離を両立するというコンセプトは共通していた。実用配備はF15より10年以上も遅い85年になってしまったが、時間を掛けた分、完成度は高くなり、当時のあらゆる西側戦闘機を上回る性能を発揮した。特に運動性能は驚異的に高く、そこに強力なエンジンの大パワーが加わり、さらにソ連戦闘機の弱点とされてきた電子機器にも高い能力を持つなど、バランスの取れた高性能機と評価されている。

 SU27の最初の量産タイプとなった制空戦闘機型のフランカーBは、全長21.9メートル、全幅14.7メートルで、大出力ターボファンエンジン2基を搭載、最高速度はマッハ2.35に達するとされる。航続距離は3600キロを超え、最大探知距離240キロの高性能レーダーとR27ミサイルの組み合わせで、高い対空戦闘能力を持つ。主翼と一体になったボディー、2枚の大きな垂直尾翼など、F15と極めて似たフォルムをしているが、これはF15をライバルと認識して開発を進めてきた結果だろう。

 SU27は求められたコンセプトを実現するため、基本設計を何度も練り直し、量産タイプは原型機とまったく異なる機体に生まれ変わった。拙速を避けて地道な開発を進めたことが高い基本性能につながり、21世紀にも通用する戦闘機に育つ下地となった。ソ連崩壊後、ロシアの軍需産業が衰退する中、民間企業となったスホーイが生き残れたのも、SU27とその発展型が中国やインドで主力戦闘機に採用され、外需で食いつなげたことが大きく寄与している。また、大型で余裕ある機体は、発展改良型の開発が容易で、ユーザーの要望を受けて臨機応変に新型を生み出せることも大きな強みだ。


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